Sheepのはじまり
その言葉が聞こえた瞬間から、自分の空間だけが切り離されたような、そんな感覚になったことを覚えています。目の前の景色も、聞こえてくる街の雑音も、どこか違う世界の出来事のようにぼんやりと曖昧に感じられました。
2017年、大切な人から別れを告げられたあの瞬間のことは、今でもはっきりと覚えています。ただ、それからの会話はあまり覚えていません。忘れてしまったのか、耳に入っていなかったのか、きっと後者なのでしょう。
「これで終わりなんだ、もうこの人とは会えないんだ」
そんな考えがぐるぐると頭の中を巡っていて、心の奥に無理やり穴を空けられていくような、何かが刺さったような、そんな鈍い痛みを胸に感じていました。
これは失恋をしても引きずることのなかった私が、人生でたった一度だけどん底まで落ち込み、生きる希望を感じられず塞ぎ込んでいた時期の話です。
きっと世間からは良しとされることではありませんが、1週間会社を休みました。周りからは「なんだ失恋くらいで情けない」と思われていたことでしょう。
それまで失恋で落ち込んだ経験がなかった私は、どうやってその悲しみを乗り越えればいいのかわからなかったのです。今思い返しても生きた心地のしない日々が、それから数ヶ月続きました。
本当に辛い失恋をした人にとっての居場所がどこにもないことを知るきっかけとなりました。
そして「辛い失恋をした人には安心できる居場所がない、それなら自分が作るしかない」そう思い立ったことが、今日のSheepに至るまでの全てのはじまりです。
Sheepに込めた想い
ー Sheepは恋愛を中心とした悩みにヒントを発信するメディアです ー
もうどれくらいの月日が経つんでしょうね。
人が人に恋をして、悩むようになってから。
私たちが学校で習ったような日本の古い書物の中にも、恋の悩みは描かれていましたよね。
時代が変わった今でも、私たちは恋をして、そして悩みながら生きています。
長い月日が経っても、今も昔も同じようなことで悩んでいます。
きっと、恋には正解が存在しないからなのでしょう。
みんな同じようなことで悩むのに、その悩みの正解は1つではない。厄介ですよね。
好きな人を振り向かせる方法も、辛い失恋を乗り越える方法も。
世の中にはたくさんの”答え”が溢れています。でもそれらはあくまで”一般的には”です。
プロポーズ一つとっても、薔薇の花束を両手にひざまずいて「結婚してください」とプロポーズされたい人もいれば、日常のふとした瞬間に「結婚しよっか」とプロポーズされたい人もいます。
人の数だけ正解も不正解もあるのが恋愛なんですよね。大げさかもしれませんが。
だから、Sheepが発信するのは答えではなく”ヒント”です。
そしてSheepの役割は”安心できる空間・居場所の創出”です。
あなたが恋に悩むとき、1つの指針を提供したい。
あなたが恋に落ち込むとき、1人じゃないと伝えたい。
そんな想いで、このSheepのメディアを立ち上げました。
2020年7月