注目コラム

大学生の時にとんでもないモラハラ男、G君と付き合っていたことがあるのだが本当に疲弊した。

気に入らないことがあると「いい加減にしろ、俺をナメるな。世の中の欺瞞に気づかない頭の悪いサラリーマン達は…」となぜか私への怒りの矛先がいつの間にか世の社会人に向かうくらいのヤバいやつだった(彼は出会い系のサクラをして生計を立てるラッパー?だった。真偽は不明)。

何かしら難癖を付けられてG君がネチネチと夜通し文句を言い、私が謝って事を収めていた。明らかに歪な関係だったが、しっかりとした骨格に切れ長の目元にサイドをさっぱりと刈り上げた髪型に長身で、すごくカッコ良かったので我慢していた。

G君の笑えるエピソードは細々とあるがそれは今になっての話で、当時は辛くて消耗していたのでとうとう限界にきたというか、謝らずに言い返してみたらこじれて別れることになった。G君の部屋にあったいくつかの荷物を返すと言われたので「送ってください」と言ったら頑なに「家まで届ける」という。

夏の朝方、ドアノブが「ガサガサ!」といって驚いたが恐らく夜勤明けのタイミングで家に寄ったのだろう。彼が去ったタイミングを見計らってドアを明けたら荷物がぶら下がっていて、中身をみたら「ヘアゴム」「クレンジング」「Tシャツ」「私が捨て忘れたと思われるコットン(律儀に返してくるあたり生粋のモラ男である)」の他に90年代中期に登場したアトランタ出身の女性R&Bグルーブ、kut kloseのアルバムが入っていた。TLC、SWVなどの女性グループが台頭する中、地味ではあるが実力は確かな3人組だ。

私が当時90年代のR&Bをよく聴いていたので、彼なりにオススメを選定し最後に感謝の気持ちを示した…かどうかはわからない。10cmの四角い紙切れにデカイ字で「やる」とだけ書かれていた。でも確かにそのアルバムは最高だった。その中の『lovely  thang』という曲が大好きで、今でも聴くとG君を思い出す。

過ぎ去ると辛いエピソードは忘れてしまうのが不思議だね!良い曲なのでみんなも聴いてみてください。ではまた♪

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